2010 年 8 月 14 日、お盆休みで実家に帰ったついでに、私は初めて一人でその家に近づいた。
子供の頃から「行ったらいかん」と言われていた家を、24 歳になってようやく自分の目で見にいった、という、ただそれだけのことである。
子供の頃から「行ったらいかん」と言われていた家を、24 歳になってようやく自分の目で見にいった、という、ただそれだけのことである。
道のり
実家を出て歩いて数分のところから山道に入り、そのまま 10 分もかからないくらい。蝉の鳴き方が、ある一線を越えると急に弱くなった。これは思い込みではない。後で同じ場所を録音してみたが、やはり、ある地点を境に確実に音圧が落ちる。理由は分からない。
家屋の状況
- 木造平屋、推定明治末から大正初期の建築。瓦屋根の半分が崩落。
- 玄関の引き戸は閉まっていた。鍵はかかっていない。桟の隙間に白い髪が一筋。
- 窓ガラスはすべて残っているが、内側から白く曇って中は見えない。
- 家屋の周囲に明らかな踏み跡。新旧両方。地元の誰かが定期的に来ている。
- 北西方向に古い井戸跡 (この時点では正確な位置までは特定できず)。
引き戸を開けるかどうか
かなり迷った。結論として、この日は開けなかった。
理由を書く。引き戸の前に立った瞬間、明確に、私の体が「これ以上前に出るな」と判断した。後ろから誰かが私を肩で押さえているような、物理的な抵抗を感じた。気のせいだとは思えなかった。
「あんた、入ったらいかん。中の人がまだ片付けとらんけん。」 — 帰路、近くで畑仕事をしていた女性 (推定 70 代) より
「中の人」が誰のことなのか、聞き返したが答えてもらえなかった。子供の頃から散々聞かされてきた「あそこは入ったらいかん」と、まったく同じ口調だった。
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